サントリーウィスキー「白州」の香りを嗅ぐとピートのニュアンス、黒土や泥炭の香り、ワンテンポ遅れて熟した洋梨、心地よい酸・・・、そして水素がほんのり?
水素は無味無臭!なんてツッコミを入れられそうですが、山梨県北杜市白州町にサントリーが構える「サントリー天然水 南アルプス白州工場」および「サントリー白州蒸溜所」に工場で使用する熱エネルギーの燃料を水素にする、という基本合意が山梨県と交わされました。
具体的には「やまなしモデルP2G(Power to Gas)システム」と呼ばれる水素の生成システムの導入です。これは国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業として山梨県、東レ(株)、東京電力ホールディングス(株)、(株)東光高岳が共同で開発を行ってきた固体高分子(PEM)形の水の電気分解から水素を製造する技術を活用したもので、水素生成時にCO2の排出がゼロな“グリーン”水素を生み出すものです。
現在、実用化されている水電解の技術には水酸化カリウムの強アルカリ溶液を使用する「アルカリ形」と、純水を使用する「固体高分子(PEM)形」の2種があるそうです。後者はアルカリ形に比べると、変動する電力の需給バランスに対して柔軟性が高く、設備をコンパクト化しやすいのが特徴。
白州工場では国内最大となる16メガワット規模のP2Gシステムを、2025年に導入することを目指すそうです。工場で使用する熱エネルギーの燃料(蒸留工程や工場内の車両にも活用)をグリーン水素へ転換するだけでなく、周辺地域等でのグリーン水素活用についても山梨県とともに検討し取り組んでいく予定だそうです。
なお、サントリーグループは2030年までに温室効果ガス排出50%削減の達成を目指し、今春より国内自社生産研究拠点で使用する購入電力を100%再生可能エネルギー由来に切り替えているんですって。そして、2050年までには2050年までにバリューチェーン全体で温室効果ガス排出を実質ゼロにすることを目標に掲げています。
温室効果ガス排出削減への取り組みは大切なことですが・・・、白州18年や25年の流通量増加にも取り組んで頂きたいものです(笑)。白州蒸留所の紹介動画を見ているだけで・・・、喉に渇きを覚えます。