アルストム社、MiraiEnergyでの登場頻度、高くなってきました。世界的な鉄道ソリューション会社が賑わせている話題は、燃料電池列車です。運用開始、というポジティブな話題もあれば、燃料電池列車は経済合理性の観点から見送る、という話題まで・・・。今度はサウジアラビアで今月から燃料電池列車の実証実験開始、というニュースが飛び込んできました。
サウジアラビア鉄道は2022年9月、フランスの鉄道輸送大手アルストムと、同国向けに燃料電池列車ソリューションを開発する覚書に調印していました。両社は列車の環境適合性を評価するための運行実験と研究に着手し、将来の配備に向けた準備を進める、と発表していました。
サウジアラビア鉄道は、この列車が中東・北アフリカにおける先駆的な取り組みであることを強調し、持続可能な輸送技術の導入に対する同国のコミットメントであることを強調しています。また、サウジアラビア鉄道は「サウジ・ビジョン2030」で構想されているサウジ・グリーン・イニシアチブの達成に尽力しているとも。このイニシアティブは、二酸化炭素排出量の削減、クリーンエネルギーへの移行、環境保護などを含むものです。
アルストムはこれまでにもリヤド地下鉄3、4、5、6号線の建設を手掛けています。全長176km、85の駅からなる6路線を建設する大規模プロジェクトで、世界最大級の都市交通事業です。なお、アルストムは1951年、サウジアラビアにガスタービン導入を手掛けてから、同国の交通インフラに貢献してきています。
冷静に考えてみればサウジアラビア、世界最大のグリーン水素生成(再生可能エネルギーを用いることで水素生成時においてもCO2を排出せずにつくられた水素)を目指しています。
サウジアラビアが野心的に進めているプロジェクト「NEOM」ではCO2排出量の大幅削減を目指しており、水素社会の到来が予言されています。
ちなみにNEOMという名称は、「新しい未来」を表現する2つの言葉に由来しています。最初の3文字は、古代ギリシャ語で「新しい」を意味する接頭辞「ネオ(neo)」、最後の1文字はアラビア語で未来を意味する「モスタクバル(mostaqbal)」の頭文字です。NEOMを構成する4つの“地域”は、「SINDALAH」、「TROJENA」、「OXAGON」、そして「THE LINE」です。スマートシティー技術を取り入れ、未来的な都市計画を実現することで、「都市生活を再構築」するそうです・・・。
もとい。
燃料電池列車、ディーゼル機関車の代替手段に成り得るのでしょうか・・・。引き続き、ウォッチしていきます。