リマック・アウトモビリの創業者であるメイト・リマック氏は、2026年にサービスを開始する予定の2人乗りロボタクシーを発表しました。メイト・リマック氏は“クロアチア版イーロン・マスク”として世界が注目する人物です。
リマック氏、2007年に自分の愛車が壊れて修理する代わりに「EV化」したことで文字通り人生が変わった、というのが面白いエピソードの持ち主なんです。ユニークな技術力によりEVハイパーカーを生み出し、多方面から出資を得て、今ではブガッティを傘下に収めるまでに成長しています。自社の車両販売台数は今のところ100台に満たないレベルですが・・・、その技術力は確かなんです。
リマック・アウトモビリの技術部門である、リマック・テクノロジーはEV開発・製造だけでなく、OEMとしてドライブトレインやバッテリーシステムの提供を行っています。アストンマーティン・ヴァルキリー、ケーニグゼグ・レゲーラ、ジャガー・Eタイプ・ゼロなどにはバッテリーシステムを供給し、ピニンファリーナ・バティスタに至ってはパワートレインまで提供しています。
そんなメイト・リマック氏、2017年に元同僚、マーコ・ペイコヴィッチをCEOに据え、リマック・アウトモビリのネヴェーラのデザインを手掛けたアドリアーノ・ムドゥリをチーフデザイナーとして送り込んで、Project 3 Mobility(リンク切れ:社名変更するのか?)とい会社を立ち上げています。リマック・アウトモビリ、ホールディングカンパニーであるリマック・グループとの資本関係は明確ではありません。
クロアチアの環境ファンドから2億ユーロの資金提供が良くも悪くも現地では話題になりましたが、リマック・アウトモビリ同様、多方面からの出資を得て急成長中のようです。っで、何をする会社かというと・・・、「ロボタクシー会社」です。いわゆるMaaSですね。
「ヴァーン」と名付けられた、この2人乗りBEVはイスラエルのMobileye社が供給するMobileye Drive自動運転システムプラットフォーム(カメラ、LiDAR、レーダーセンサーを含む)を採用し完全自動運転します。レベル4の自動運転を実現し、ステアリングホイールやペダルはありません。よってユニークなデザインへと仕上がっているのです。両側スライドドアなのは、都心部での利用を考慮してのこと、だそうです。
ユーザーは車両代金を支払うのではなく、利用に応じてタクシーのように料金を支払う、というモノです。運転免許返納者には必要なサービスですし、日本なら過疎地の買い物困窮者対策につながるバラ色のサービスに聞こえなくもありません・・・。
ただ、タクシーの利用料金より安くないと成立しませんよね?イーロン・マスクのロボタクシー計画は、ユーザーが車両を購入し、乗っていない“隙間時間”に車両に稼いできてもらうスタイルだった、と記憶しています。ヴァーンのサービス開始は2026年から、ということですが続報が待ち遠しいです。
なお、ヴァーンは「マザーシップ」と呼ばれる“拠点”にて整備・清掃・充電を自動で行います。いわゆるロボット掃除機がホームに戻るのと同じスタイルですね。FCVでも同じこと、余裕でできそうですが、今のところ、このような話は聞こえてきません。