先日、アメリカン航空がアメリカのUniversal Hydrogen社の株式を取得したことがニュースになりました。具体的に何株購入したのかは定かではないですが、マイノリティ・ステークだと思われます。
Universal Hydrogen社は、航空機による温室効果ガス削減を目指す会社で、グリーン水素(再生可能エネルギー由来の電力を利用して生成する水素)の運搬、航空機による水素燃料の活用を目論んでいます。
昨今、自動車ばかりが脱炭素の矢面に立たされているような雰囲気でしたが、航空機にも脱炭素のビッグウェーブが押し寄せていることを予感させます。ただ、自動車のように「電気自動車ありき」のような雰囲気とは異なります。
グリーン水素を各地の空港で生成し、専用ケースに充填して航空機で運搬する、というのがスタートです。そして、2025年までには燃料電池で航空機のAPU(外部電源ユニット)を稼働させることで温室効果ガス低減を目指し、ゆくゆくは航空機エンジンも燃料電池で稼働させられたらいいなぁ、という夢を描いているようです。
小型航空機でのトライアルから始め、旅客機へと展開していく、というプランになっています。そんなUniversal Hydrogen社がアメリカン航空に注目されたのは、明るい未来が待ち受けていそうだなぁ、と思った次第です。
ちょっと調べてみたら、総額2050万ドルの“シリーズA”資金調達時に既にエアバス・ベンチャーズ、ジェットブルー・テクノロジー・ベンチャーズなど航空関連投資ファンドが出資していました。そして・・・、トヨタのAIベンチャーズや双日も出資者として名を連ねていました。
トヨタAIベンチャーズのCEOによると「ネスプレッソ(ネスレ社のコーヒーマシン)に例えるUniversal Hydrogen社を気に入った」とコメントしていました。水素ボンベはUniversal Hydrogen社のもので、様々なアプリケーションに展開する、という考え方に共感でした様子でした。
自動車やオートバイ、航空機にも脱炭素が求められる時代・・・、これからのビッグウェーブは船舶かもしれません。
参考までにエアバスA350のAPUスタート時の模様を貼っておきますね。