先日、ロールスロイスが航空機エンジンの燃料に水素を用いる実験を行った話題をお届けしました。エアバスも、カーボンニュートラル達成のため、水素を燃料とした飛行機の開発着手を発表しました。

そんななか、2018年に設立された、フランスの「H3ダイナミクス」が面白い提案をしていました。「分散型水素ポッド」と呼んでいるのですが、飛行機の“エンジン”部分に全てを収めてしまおう、というのです。

分散型水素ポッドには電動モーター、燃料電池が収まっていて、水素タンクは取り外し可能(装填に時間がかからない)となっているので、固定尾翼を持つ電動ドローンにも“後付け”できるはず、とH3ダイナミクスは主張しています。小型モデルを用いて、テストフライトを行った模様がYouTubeにアップロードされていました。

H3ダイナミクスによると重量25㎏のテストドローンは圧縮水素で350㎞、液体水素で900㎞の航続距離なのだとか・・・。最終的には旅客機としての燃料電池ドローンを目指しているそうですが、その前に貨物対応のドローンとして、その前に小型荷物対応のドローンとして、その前にカメラを搭載した偵察用ドローンとして開発する、とホームページには記されています。要は小さい目標からコツコツと達成していくことで、関係省庁からの認可を得る、と目論んでいるようです。

ちょっと大げさだなと思いましたが、水素タンクを既存の飛行機の胴体に収めるとなると荷室は居住空間に犠牲が出る、というのがH3ダイナミクスの主張です。

文字通り、どこまで「スケールアップ」できるか否か、が肝でしょう。いずれにせよ、Mirai Energyとしては面白いアイディアだな、と思った次第です。少なくとも警察や軍事用の偵察ドローンとしてのポテンシャルは高い、と思っています。

H3ダイナミクス、気になるので、引き続き注目していきます。