ロールス・ロイス・ホールディングスPLCは電動航空機開発から手を引き、当該エンジンを製造する事業を売りに出す計画を立てる、と電撃コメントが飛び出しました。なんでも水素がジェット燃料の代替品として成熟するのに時間がかかり、おそらく20年間無理とのこと。
「私は、今後15年、20年の間に水素がその役割を果たすとは思っていません」と、トゥファン・アーギンビルギッチ最高経営責任者(CEO)は11月下旬に行われたメディアとの電話会見で語ったんです。同社は格安航空会社イージージェットと水素技術に取り組んでいるのですがエルギンビルギッチCEOは、持続可能な航空燃料(SAF)が、大型ジェット機がネット・ゼロ気候目標を達成するための唯一の道であると考えている、とまで述べたそうです。
BP Plcの元幹部であるエルギンビルギッチは、中期的に営業利益を4倍にし、より高いキャッシュフローを生み出すことを目指しているんです。航空業界は脱炭素化を迫られており、世界最大の飛行機メーカーであるエアバスSEは、2035年までに水素で動く飛行機が就航することに賭けています。
ロールス・ロイス社は、CEOのコメントとは別の声明で、「イージージェット社とのパートナーシップのもと、水素の能力を開発することに全力を注いでいる」という声明を発表し、「長期的にはこの技術を飛行試験に持ち込むという野心を持っている」と付け加えました。
とはいえ、ロールス・ロイス社は、空飛ぶタクシーなどの航空機の推進システムを開発する電気事業の売却を計画しているとの発表も。アーギンビルギッチCEOは、同社は「資源配分の選択」をする必要があり、この部門は「第三者により良い価値」を提供するだろうと述べました。
これって、ジャック・ウェルチ元GE会長の功罪のように感じられてなりません・・・。これ、ひと昔前のプロ経営者が極度に株主利益を優先するやり口ですよね?とにかくコストカットし、なんなら従業員も各部門で定期的に問答無用に10%削減して人材の新陳代謝を図るんでしたっけ?研究開発費の削減も同じ理屈です。そして利益が出たら自社株買いをするんです。株主を大切にすることは当然ではあるのですが、メーカーが革新技術への研究開発をおろそかにするのは、ねぇ・・・。
あっ、でも株価は順調に右肩上がりの様子です。