2035年までに内燃エンジン車の新車販売を事実上禁止するとしていたEUですが、条件付きで販売を容認すると方針転換しました。「ほら見たことか!」という論調が日本の一部では散見されていますが、今後は内燃エンジン車による「合成燃料」は許容する、という話で電動車普及の方針を止めるわけではありません。

そして、合成燃料は今のところメチャメチャ高いんです。製造方法によって異なるとはいえ、一般的なガソリンの2倍~5倍と言われています。もちろん今後、技術革新や合成燃料メーカーによる価格競争により安くなる可能性はあるでしょうが・・・、基本的には富裕層のみが手を出せる燃料です。

ただ今後、プラグインハイブリッド車、レンジエクステンダー(発電のための小型エンジン)付き電気自動車、ハイブリッド車は・・・、まだまだ活路があるようにも感じられます。

そんななか、ちょっと気になる話題がありました。なんでもトヨタとデンソーがイスラエルの「エレクトレオン社」とワイヤレスチャージング(無線給電)の分野で共同開発する、というものです。最近、充電ステーションの設置個所の増加、充電ステーションのハイパワー化などが話題になることが多いですが、久しぶりに「ワイヤレスチャージング」を耳にしました。

電気自動車が抱える大きなハードルは、充電インフラと充電スピードです。駐車場に置くだけ、または走行中に充電(ダイナミックチャージングとも呼びます)できたなら・・・、とユーザーへの利便性を提供しようと、エンジニアたちは奔走しているのですね。

冷静に考えたら・・・、トヨタは旧々型プリウスの頃から、ワイヤレスチャージングに取り組んできています。約9年前にアップロードされた動画、今でも実用に至っていないのは・・・、効率が悪かったり、コスト高だったり、なんらかのハードルがある、ということでしょう。

トヨタとデンソーは新たにエレクトレオン社と、既に販売されている電気自動車がワイヤレス充電技術を利用するためのアフターマーケット用ワイヤレスキットの共同開発、市場に投入される新車へのワイヤレス技術の統合、ワイヤレスEV充電の標準化の形成に向けた協力、そして日本、米国、EUにおける実証実験などの面で協力するそうです。

何かと電気自動車への取り組みが遅いだの、非積極的だの言われがちなトヨタですが・・・、黙々と開発が進められているように感じられてなりません。個人的には、水素でエネルギーの自給自足体制を築くことが将来の日本にはプラスになるように思えますが・・・。