地球温暖化を止めるには温室効果ガス削減が欠かせません。そして、自動車業界では内燃式エンジンを捨てて、電気自動車に大きく舵を切るような雰囲気に包まれています。最近は“内燃式エンジンの開発は続ける”と表明する自動車メーカーもチラホラでてきていますが・・・。

そんななか、大手自動車メーカーではトヨタが声を大にして“カーボンニュートラルやサステナビリティがゴールであって、クルマを電気自動車に変えることではない”と言い続けています。オートモーティブニュースに面白い記事が取り上げられていました。なんでも自動車部品メーカーによる水素関連技術開発が盛んになってきている、というものです。

部品メーカーではターボチャーチャージャーで有名なボルグワーナーが、水素を燃料とするエンジンのための水素供給装置やエンジンコントロール部品をラインナップ。ピストンリングをはじめ、自動車部品で有名なリケンは「水素・省エネ事業準備室」を開設し、水素エンジンの実機評価を開始しました。

ヤマハは既に水素を燃料とする5lV8エンジンを開発していますし、今後はバイクエンジンの開発も進めることを予定しているそうです。また、カミングスは大型トラックでの水素エンジン開発を、ロールスロイスは水素を燃料とする航空機エンジン開発をそれぞれ予定しているとか。

水素=燃料電池というだけでなく、水素そのものを燃料として活用する、って素晴らしいアイディアですよね。燃料電池のみならず、水素を活用する裾野が広がれば、それだけインフラ整備も整いやすい環境になります。電気自動車のような大容量バッテリーも必要としませんし、なによりも充填時間で優位性を感じます。

 

太陽光発電は環境に優しい!ともてはやされていますが、ソーラーパネルの耐用年数やリサイクルについてどのように考えているのか、と思ってしまいます。そもそも電気をどう作るか(もちろん、水素でも同じ議論はあります)、どのように常時安定供給するか、この夏だって世界的に電力不足が話題になったばかりですし・・・。

 

まぁ、小耳に挟んだ話によると、カリフォルニア州での“ゼロ・エミッション・ヴィークル”の定義には「50マイルEVモードで走れればOK」みたいな抜け道が用意されているとか・・・。つまりは、プラグイン・ハイブリッド車にはまだ活路がありそうだ、と。

 

時代は電気自動車だぁ!とイメージ先行なニュースが多い昨今、水素への取り組みが自動車メーカーだけでなく、部品メーカーでも活発化していることは興味深い流れですし、引き続きウォッチしていきます。