HIFグローバルは、チリでのパイロットプロジェクトの成功に続き、テキサス州南部のマタゴルダに世界最大の合成燃料生産施設を建設する許可を得ました。建設は2024年に開始される予定です。

HIFグローバル社はチリの企業で、ハルオニでパイロット施設の運用開始をしています。生産した2,600リットルの合成燃料はすべて、昨年ドイツで開催されたポルシェのワンメイクレースシリーズのために出荷されたそうです。

テキサス州では、合成燃料生産を商業規模に引き上げ、年間7億5000万リットルの出荷を見込んでいます。同社では、2027年までに達成できる、と目論んでいるようです。もっとも、この料を生産するためには年間30万トンのグリーン水素と、およそ200万トンの“リサイクルされた二酸化炭素”を必要とするとか・・・。

「合成燃料なら2035年以降もヨーロッパで大丈夫!」って前向きにとらえる論調を日本の自動車メディアに関わるセンセー方をちらほら見かけますけど、そこまで前向きな内容かは微妙なところです。

HIFグローバルは、CO2や水素、プラントを動かすためのエネルギーをどこから調達するかはまだ明らかにしていませんが、その調達の難しさが合成燃料業界に対する批判点のひとつとなっています。合成燃料の生産は、非常にエネルギー集約的なんですよね。

っで、合成燃料、今幾らするかご存じでした?ハルオニで生産される合成燃料って1リッターあたり約50ユーロなんです。これがいわゆる商業規模に乗ると、1リットルあたり、たったの2ユーロ(約300円)に収まる、って算段だそうです。

つまり・・・、やっぱり内燃式機関は終焉を迎えそうな雰囲気なんですよ。レンジエクステンダーとしてなら、まだ理解できなくはないですけどね。