吉利(Geely)が電気自動車向けの新しいリチウム鉄リン酸バッテリーを発表しました。このバッテリーは100万㎞の走行が可能で、最長50年間使用できるとされています。また、充電が速く、寒冷地でも性能が向上し、過酷な状況にも耐えられるとのことです。
「ショートブレード」と呼ばれるこの新型バッテリーは、改良された隔膜を使用してエネルギー密度と安全性を向上させています。多元素ドープ電極材料を使用することで内部の化学反応速度を大幅に低減し、これが長寿命化の主な要因だと同社は主張しています。
このバッテリーは3,500回の充電が可能で、100万㎞の走行に相当し「バッテリー容量への影響は最小限」とされています。長寿命化により中古EVの残存価値向上だけでなく、年間8万トン以上のCO2排出削減にも貢献するとしています。セルの容量は192Wh/kgで、従来のブレードバッテリーより約40%短くなっています。
同容量の長短ブレードバッテリーでのテストでは、ショートブレードの方が充電が速いことが判明しました。長ブレードが10-80%の充電に26分かかったのに対し、新型ショートブレードは17分4秒で済みました。また、-30℃での容量保持率も、長ブレードが78.96%だったのに対し、ショートブレードは90.54%を維持しました。
また、吉利は特にバッテリーの安全性を誇っている、と主張しています。セルが穿孔された場合、アルミ箔層が自動的にバッテリー隔膜と融合して絶縁層を形成し、短絡や熱暴走を防ぐんだそうです。
テストでは、8本の5mmの鋼針で同時に穿孔し、1時間放置しても「悪影響はゼロ」だったとか。5.8mmの弾丸でバッテリーを撃っても熱的発火は起こらなかったそうです。
さらに、このバッテリーは海水に浸す、火の中に投げ入れる、極寒環境に置く、側面から衝撃を与える、26トンで押しつぶす、擦るなどのテストも行われました。吉利によると、これらの安全機能によりバッテリーはすべてのテストに合格したとのことです。
吉利はこの新型バッテリーを搭載したEVの製造開始時期については言及していません。ハッタリなのか、事実なのか・・・、いずれ答えが出るでしょう。
バッテリーを進化させるのは素晴らしいことですが、ついでに発電についての研究開発してもらいたいと思ってしまうのは要求し過ぎでしょうか?w