光触媒による水分解は、太陽光を貯蔵可能な水素に変換させますが通常、純水とプラント設置のための土地が必要で、使用できない廃熱を発生させます。そこに着目した、ケンブリッジ大学の研究者たちは光触媒(PC)と太陽熱蒸気発生器(SVG)からなるハイブリッド・デバイスを用いて、開放水源からの水分解と浄水を同時に行う方法を見出したそうです。

具体的には、「紫外光を吸収するRhCrOx-Al:SrTiO3光触媒を、可視光および赤外光を吸収する浮遊多孔質炭素SVGの上に堆積させ、太陽から水素への変換効率0.13±0.03%のグリーン燃料を生成し、0.95kg m-2 h-1の水蒸気を光触媒と回収可能な浄化水に供給する」んですって・・・。論文に書かれていることをそのまま翻訳したに過ぎません(笑)。

このシステムは、液体原料中の汚染物質からPCが隔離されているため、海水やその他の水性廃棄物の流れの中で154時間以上にわたって運転安定性を維持。オフグリッド・エネルギー生産/貯蔵ソリューションを開発するための新しいコンセプトを提供し、エネルギーと水供給の両方の課題を軽減するための第一歩になりそうだ、と話題を呼んでいます。

早い話、太陽光で飲める汚い水を飲めるものにし、水素も生成してくれる、という夢のような装置の開発研究が進んでいる、ということです。脱炭素のための施策のひとつが、水素の活用ですが・・・、さらに世界の多くの地域が抱える水問題にまで踏み込めるものですね。

なお、研究者の一人、チャノン・ポーンルンロジ博士は東北大学に在籍していたんですよね・・・。惜しい方を手放したものです。